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人間のタイプ

同じ映画を観たり、同じ小説を読んだりしても、
人によって目の付けどころって違うものですよね。

 

登場人物のファッションや、ストーリーの設定など
「物理的なもの」ばかりに目が行く人もいれば、

登場人物に自分を重ねてそこで湧きあがってくる
感情を中心に鑑賞する人もいます。

 

さて、あなたのタイプはどっちでしょう?

 

これはあくまでも一つの例ですが、
ユングが定義した「人間のタイプ」論

この例から考えると非常に分かりやすいと思います。

 

要するに、心のエネルギーが「外側」に向いているのか、
自分の「内側」に向いているのかという違いですね。

ユングは、前者を「外向的な人」
後者を「内向的な人」と分類しています。

 

外向的な人は心のエネルギーが外に向きやすいために、
世の中の情勢や流行に左右されやすいタイプです。

 

一方、内向的な人は、外からの影響は受けにくいものの
自分の内側の影響を受けやすいタイプ。

気分に左右されやすい人と言ってしまっても良いかもしれません。

 

これはあくまでも一種の「タイプ分け」ですので、
どちらが良いとか悪いとか言える問題ではありません!

ただ、自分の周りの人をこっそりタイプ分けしてみると、
自分が所属する組織の傾向をつかむことができてなかなか面白いですよ◎

「自己実現」とは?

ユングの理論によれば、私たちは
「外向的」か「内向的」のいずれかのタイプに分けられます。

 

さらに、人の心には「思考」「感情」「感覚」「直観」の4つの機能があり、
どれが最も強く働くかで、人をタイプ分けすることができます。

 

この2つの理論を組み合わせると、
「内向・外向」と「思考」「感情」「感覚」「直観」の組み合わせで

合計8つのタイプに分けられることになりますよね。
そこから、自分の中で主として働く「主機能」と

やや荒削りな働き方をする「劣等機能」を特定し、
「あまりうまく働いていない機能」を洗練したり強化したりしていく過程…。

これを、ユングは「自己実現」と表現しました。

 

この過程では、
本来は主機能であるのに環境的な要因で抑え込まれている機能を発掘したり、

よく働いている機能をさらにパワーアップさせたり…と、
「新しい自分」を作っていくことができます。

 

もっとかみ砕いて言えば、
「自分らしさとは何か?」を改めて見つめ直し

「本当の自分」「自分らしい自分」に少しずつ近づいていくこと
「自己実現」につながるステップであると言えます。

「自己実現」を目指すには?

ユングの言う自己実現とは、
ちょっと乱暴な言い方をしてしまえば「自分らしく生きる」ということ。

 

そのためには、自分の心の動きをよく知る必要があります。
あなたの心は、どういう働きが得意で、どういう働きが不得意なのか?

それを知るためには、自分自身の内面と対話することはもちろんですが、
人との関わりも非常に大切。

他人を鏡として、自分の新たな一面が見えてくることもありますから。

 

また、今まで気づかなかった自分の新たな一面を自覚できるようになると、
今まで付き合ってきた人達とは違ったタイプの人とも

打ちとけやすくなります。
つまり、他者への理解力も広がってくるわけですね。

 

こういう、「前向きだけど押しつけがましくないところ」が、
ユング理論の一つの特徴と言えるのではないでしょうか。

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