ユング心理学の世界へようこそ

人の心の働き

「なんとなく好き」「嫌い」で付き合う人を選別したり、
「ココがこうだから好き」というこだわりで服を選んだり、

「今やらなきゃ後悔する!」という“勘”で思い切った行動を起こしたり…。
1人の人間でも、その心の働きはTPOに応じて様々に変化します。

 

でも、人によって“心の動き方”には特徴があるもの。
カッと感情的になる傾向が強い人もいれば、

常に冷静沈着で、感情を荒立てることなどほとんどない人だっています。

 

ここに目をつけたユングは、さすが!!

 

ユングは、まず、「人の心には4つの働きがある」と考えました。
それが、次に詳しく説明する「思考」「感情」「感覚」「直観」

 

さらに、この4つの機能のうち「どの機能が最も強く働くか?」で、
人をタイプ分けしたのです。

思考

「思考」とは、物事を論理的に捉える心の機能です。

 

具体的には、絵画を観たり音楽を聴いたりした時に、

 

「この作品はいつごろ・どんな背景で作られた物なんだろう?」
「この作者は何を伝えようとしているだろう」

「作者がこの作品を作った理由は?」
「それを証明する根拠は?」

 

…と、とにかく“理屈”で考えようとすること。
筆者の周りでは、このタイプの人が多いですね〜(笑)。

特に、理系男子に多いような気がします。

 

実際、筆者の夫もこの機能が強く働いているタイプです。
一緒に美術館へ行ったり、コンサートを聴きに行ったりすると、

正直「ちょっと面倒くさいな」と感じることもしばしば…(苦笑)

感情

「好き・嫌い」「快・不快」で物事を判断するのが、「感情」という機能。

 

筆者は、このタイプです。
何事も、まずは「自分がその対象を好きか・嫌いか」で判断してしまいます。

 

食べ物から始まって、人付き合いにおいても、仕事においても、
ついついこの基準で物事を判断してしまいますね〜。

結果的には自分の視野を狭めたり、
経験のチャンスを逃すことになることも多いので、

「好きか嫌いかで選ぶのは危険かな」と、
気をつけているつもりではあるのですが…。

 

ちなみに、ユングによれば、この「感情」の機能は
「思考」と正反対の機能なのだとか。

 

「感情」が優位に機能する人は、「思考」のコントロールが苦手。
逆に、「思考」が優位な人は感情のコントロールが苦手なので、

一度火が付いたらその消火にはかなり苦労しそうです。
(周りの人たちが…汗)

感覚

物ごとを「そのまま」「あるがままに」感じ取る機能です。

 

例えば、絵画を観て

 

「ここの色は○○と同じ色だな」
「このタッチは○○の絵に似ているな」

 

音楽を聴いて、

 

「ここのギターのニュアンスは○○の曲と同じかな」
「ここは、ドラムのおかげでギター&ベースもしっくりまとまっているな」

 

…とか。
そこに「好き」だとか「嫌い」だとかいったような、

“感情”をはさむことはあまりないようです。

 

とにかく、「それがどうなっているのか」を緻密に把握する。
それが「感覚」の働きです。

直観

直観は、いわゆる「思いつき」「ひらめき」

 

絵をボーっと見ているうちに、

 

「これは何かに対する“嘆き”を表現したものじゃないだろうか」
「これは、地震を予知しているんじゃないだろうか」

 

…といったひらめきがポッと頭に浮かぶことってありませんか?
実はこれも、立派な心の機能なんです!

 

ちなみに、ユングによれば「感覚」と「直観」は正反対の機能なのだとか。
「直観」が優位に機能する人は、

「感覚」を頼りにして緻密に進める仕事は向いていませんし、
逆に、「感覚」が優位な人は物ごとの「本質」を捉える力が欠けています。

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